ALSアイス・バケツ・チャレンジについて最低限知っておくべき3つのこと。

まずは、結論から!

ALSアイス・バケツ・チャレンジ(以下、IBC)、実施して大正解でした。
これを絶好の機会と捉え、イロんなことを考えイロんな人の意見を聴くことによって得ることが多かったからです。
ご指名くださった、オーベルジュあかだま http://homepage3.nifty.com/akadama/ の中村 浩徳シェフ♪ 友情に感謝です。

ジツはコレやったの、夜の23:00(汗)・・・・・。
にもかかわらず、リアル氷屋さんの店舗と商売道具を提供していただきました。
米倉さん♪ ご協力誠に有り難うございました!

ALSアイスバケツチャレンジ@James Bond. - YouTube


さて、IBCにおけるルールに則れば、次に誰かを指名しなければなりません。
しかし、動画ではアホ面鬼塚のアホな「イエ〜イ♪」で…チャレンジだん。

鬼塚には想うトコロあって、次は誰も指名しませんでした。

ジツは氷水をかぶる前に、この場に立ち会ってくれたバスケチーム バナナクラブの旧友たちと約束を交わしていました。
ALSについて各々で調べてくれ、と。
ALSを世の中に拡く認知させることがこの活動の趣旨であるならば、限られた2〜3名を指名するよりも、ここにいる10名がALSの理解を深めそれぞれの意図で行動する方がよっぽど意義深いのではないかと考えたからです。
その意図をもって、理学療法科|こころ医療福祉専門学校 の講義において、このテーマについてディスカッションすることもこの場で宣言していました。
さらに、ココに立ち会ってくれたメンバの一人であるN教諭が、所属する中学校の道徳の授業でゼヒ取り上げたいと申し出てくれました。
自分を含む数十名の“未来の成果”に波紋を投ずることが出来た。これこそが鬼塚の“チャレンジ”の成果です。

そして迎えた今日、講義の時間。
はい、ALSとはナニ?「筋萎縮性側索硬化症(きんいしゅくせいそくさくこうかしょう)です」…あらま、サラッと。
サスガ、未来のNAGASAKIを担う理学療法士を志す3年生諸君…優秀です!

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さらにポイントとしてあげられたのが…
・筋肉の萎縮と筋力低下をきたす神経変性疾患で進行が著しく速い。
・半数が発症後3〜5年で呼吸筋麻痺により死に至るが、人工呼吸器による延命は可能。
・人工呼吸器装着などで会話が難しくなると、眼球運動を読み取るパソコンや文字盤を使ってのコミュニケーションを行う。
・1年間に人口10万人当たり1〜2人程度発症。40〜60歳代が好発年齢で男性が女性の2倍。
・多発地帯として、三重・和歌山県の南部、海外ではグアム。
・現在有効な治療法は確立されていないが、iPS細胞に大きな期待が寄せられている。
…等々。

そしてココからが本題。ALSアイス・バケツ・チャレンジについてのレクチャです。(注)顔文字は鬼塚の心の声。
・起源は2013〜2014。アメリカ・ボストン。鬼( ゚д゚)ふーんボストン…ね。
・参加人数の多い国、アメリカ→オーストラリア→ニュージーランド→カナダ→メキシコ。鬼フムフム日本はまだまだコレからか…。
・参加人数は全世界で2,800万人以上。シェアされた動画は240万本以上。日々加速度的に増加中。Facebook調べ。鬼Σ(; ゚Д゚)あ、ボストン?
・…IBCのルール「撮影した動画をFacebookなどのソーシャルメディアで公開してチャレンジ完了」鬼((((;゚Д゚))))あわわわわ!
・米ALS協会に寄せられた寄附金は、前年同時期$32,000(換算¥3,334,400)→7/29からの3週間でなんと!$13,300,000(換算¥1,385,700,400)なんと、415倍!
・日本におけるALS患者のスピーカ的存在、藤田 正裕 氏 END ALS | Facebook 曰く「奇跡です。うれしいです!日本では9000人しかいない『難病中の難病』と言われる悪夢のような生き地獄。その認知向上のためなら悪ふざけでも、お祭り騒ぎでも何でもよいのです。ALSの治療薬につながる認知、寄付、社会の動き、期待しています」鬼( ゚ε゚;)うーむ…当事者はそう想ってるのか。

そして今日の講義のクライマックス!
ALSアイス・バケツ・チャレンジについてあなたは賛成ですか?それとも反対ですか?」賛否を問うセッションです。
簡単なルール。賛成派・反対派のディスカッションで理解を深めること。このモンダイに正解不正解はないはずなので、結論は出さないこと。

賛成派・反対派のグルーピングからスタート!
割合は、賛成派2/3、反対派1/3といったところ…。

おっとしかし、このグループは中立派!
賛成派・反対派の意見を聴いて、最後はドチラかを選択することとしました。

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…では、これよりディスカッション開始!
◯賛成派「IBCによりALSを多くの人が知ることができています。氷水をかぶることでALS患者の症状体験ができるそうです。何より寄附金の成果があがっています」

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◉反対派「ALSの認知度はあがって数字上では成果が出ているが、その集められた寄附金が本当に患者のために役立てられるのか疑問です。それに、氷水を使うIBCは、水が不足している地域の人たちにとっては良い気持ちはしないはずです」

◯賛成派「病気の存在を知る一つの方法です。このような機会がなければ病名すら知られないはずです。ただし、病名だけではなくどういう病気なのか詳しい症状などももっと発信すべきです」


◉反対派「寄附は自己選択で行うものであってALSのみに限定して行うものではないはずです。バラエティ的な側面や単なる話題づくりのようになっている点も賛成できない理由です」
「IBCで亡くなった人がいるからやめるべきです」
「次への指名など他者に強制するのはどうでしょうか」
東日本大震災や集中豪雨の被害を受けた広島などへの支援が優先順位が先ではないでしょうか」

◯賛成派「寄附金は治療の研究費に充てられるはずです」
「アメリカでは氷水をかぶることは祝福を意味する、と聞いたので自分が指名されたら必ずやるつもりです」

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そして両者の意見を聴いた中立派のジャッジメント。
「◯賛成。ゲーム的に広がっていることに最初抵抗を感じたが、ゲームとしてでも広まっているのも良いと思いました」
「◉反対。寄附ができない状態の人が指名されたら、氷水の選択しかなくなります。気持ちを試されているようで嫌です」
「◉反対。皆の意見を聴いて…優先順位、ALSに限定されていること、水のない地域のこと、患者さんのこと、自分たちのこと、それら全てを考えた上でもう一度判断すべきです」
キーンコーンカーンコーン♪…はい、ソレまで〜。
皆のお陰で、スゴく意義深い講義でした♪


最後に鬼塚の考察、まとめます。
IBCが当初報道に取り上げられた頃、何とも胡散臭いと感じたのはワタシ一人ではなかったはずです。
それは、昔流行った「不幸の手紙」や「チェーンメール」を彷彿とさせたからです。
頼んでもいないのに勝手に送りつけてきて、心理的圧力によってねずみ講的な連鎖を繋いでいく仕組み。
“善意”という心理的圧力によって強制的に、しかも許される行動は$100の寄附か氷水をかぶるかの二択しか与えられない(ま、拒絶もできますがね…)という究極の選択的なヤリ口が果たしてチャリティと言えるのか?甚だ疑問です。
さらに、この仕掛けはチャリティの名を借りた壮大な社会実験なのではないかとの疑念も拭えません。
このお祭り騒ぎのルーツがボストンにあり、ソーシャルメディアにアップしなければならないルール、Facebookが監視する仕組み…。もうこれだけでアヤシい要素が揃っています笑。
この都市伝説、信じるか信じないかは…m9( ゚д゚)ビシッ!!あなた次第です笑!

しかし今回自ら実施してみて、ま、コレもありかなーと想えるんです。
ソーシャルメディアのことをわれわれが好きであろうと嫌いであろうと望もうと望むまいと、今やインフラストラクチャの一翼を担っており、ソーシャルメディア抜きの生活は有り得ません。交通、電気、水道、通信、公共施設と同じく、社会の経済活動や社会生活の基盤を形成しているのです。
よって、FacebookTwitter、ブログなどのソーシャルメディアを正しく使いこなす能力をわれわれが身につけて活用できるのであれば、ココから生まれる新しい絆・新しいコミュニティに期待してもイイのかな、と。

そして最後に、もう一つ。
せっかくムーヴメントを興したIBCを一過性のお祭り騒ぎで単なる「チャレンジ」として終わらせてはならないと、プロの“ソーシャル”ワーカーとして、そう願っています。

…で、タイトルの「3つのこと」って一体ナニ?と突っ込まれそうですが汗…コレにて、擱筆